たかが1%、されど1%

新潟県よろず支援拠点コーディネーターの山崎です。

「1%」 これを皆様はどうお考えになるのでしょうか?
少ないなぁとも言えるし、そうでもないよと言う方もおられるでしょう。
皆様へのご支援の中で、私が感じる1%についてお話してみたいと思います。

  1. 新潟県の1%

小規模な事業者の方々と市場についてお話するときに、以下のようなお話をすることがあります。

「新潟県の人口が約200万人だとすると、その1%は何人ですか? 2万人になります。皆様のお客様は何人ですか? 何人くらいにすれば勝てそうですか?」

特に、相談者さんが大手のような販売促進やネット戦略を考えている場合には、この話をよくします。
この話を逆に考えると、99%の顧客には支持されなくても、1%でも支持する顧客がいるなら十分に成功する可能性があるとも言えるわけです。

 

  1. 長岡市の1%

似たような話ですが、こんな話もすることがあります。

「長岡市の人口が約20万人として、1%だと2千人です。少ないですか? 仮に同じように、20万の都市ってどれくらいありますか?仮に1県に3都市あったとすると、新潟県で6千人、長野県で6千人、山形県で6千人…… 2万人くらいになりませんか?」

ニッチな市場であっても、広域に市場を取ると、その足し算になって大きな数の顧客になるとも言えるわけです。
ネットが使える時代は、広域に訴求することができるわけですから、この戦略は使いやすいとも言えます。

 

  1. 外注費の1%

多くの企業さんで費用削減をお考えだと思います。

「事務所の電気を消す、乾いた雑巾をさらに絞るように色々な削減をしているのです」とおっしゃる企業さんも多いです。
ところが、外注費には1億くらい出ていました。
「外注費の1%改善できませんか? それだけで100万円の利益が出ますよ」とお話したことがあります。

当たり前のことですが、小さい金額の改善よりは、大きな金額の1%の方が削減効果は大きいのです。

 

  1. 原価率の1%

1個500円くらいの商品を販売されている事業者さんでのお話です。
材料費などの原価率(正確には変動費率)が30%くらいの商品とお考えください。
このお客様にどんな販売を心がけていますか? とお聞きしたら、以下のようなお答えをいただきました。

「原価率が小さいものを優先的に販売するように、直営店での販売に注力しており、問屋経由は縮小しようと思っております」

一見、正しそうですよね?  実際のお客様の数値とは違いますが、イメージを以下に示します。


確かに直販で売っている製品Aの方が原価率も良いですし1個当たりの粗利は大きいです。
しかし、実態は間接販売の方がたくさんの量を販売していました。

この例では、原価率の1%の違いよりも、販売個数の方が利益に貢献していることは明白です。原価率改善が利益に貢献する場合はもちろんありますが、販売数量の増加の方が利益貢献する場合もかなりあります。

同じ改善でも、どこに注目するかによって貢献度合いが変わることを意識することが大切です。

 

  1. まとめ

企業において割合%を表す数値はたくさんあると思います。例えば、利益率、伸び率、減少率、構成などです。
割合を示す値は見方によって効果はかなり変わるものです。

様々な数字が溢れていると思いますが、改めて見直してみてはいかがでしょうか?

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