よろず支援拠点コーディネーターの本間真弓です。
日頃、食品や飲食に関するご相談対応をしています。
具体的には、飲食店の創業、経営改善、メニュー構築支援、食品の商品開発、食品加工技術、販売促進、衛生法規、食品衛生関係などの分野です。
今回は、日ごろのご支援で感じることをお伝えしたいと思います。
昨年度から飲食店のご相談で多いのは、経営改善のアクションプランを具体的に実行するための支援です。
利益改善を伴う価格改定、メニューの再構築という内容が多く、銀行の担当者様がご同席の場合がほとんどです。
ご相談に至る経緯は様々ですが、コロナ禍で売り上げの減少が大きかったこと、以前からの負債があったこと、ゼロゼロ融資の返済が始まったこと、原材料や光熱費の高騰などが主な理由です。
飲食業界は、1992年がピークでバブル崩壊以降下降傾向にあり、コロナ禍の落ち込みから回復傾向にあるものの、コロナ前に比べて12%程度市場が縮小しています。
業態別では、テイクアウト、持ち帰りのファーストフードのみが売り上げを伸ばしており、他の業態はプラスに転じていないのが現状です。特に夜の飲酒を伴う業態、冠婚葬祭仕出しの業態は打撃が大きく、未だに活路を見いだせない事業者様も見受けられます。
コロナ禍でいろんなことが変わってしまい、元通りにはならないであろうこともあります。その変化に対応していけるところとそうではないところで「差」が生じています。
前者は変化に対応して、テイクアウトに力を入れたり、加工品製造販売をしたり、あるいは業態を変化させたりと決断し実行をしています。その結果、苦労をしながらも良い方向に向かっています。
後者は、何も策を講じずに、いつか現状が収まるのをじっと耐えて待つのみで、昔の良いときのやり方を変えることができなかったパターンです。ご多聞にもれず、売り上げは減少したままです。
出来ない理由、やらない理由を並べるだけでは何も変えることはできないのです。
つまり、「決断するか、しないか」「やるか、やらないか」なのです。
前述の、利益改善を伴う価格改定、メニューの再構築についても、同じく
「決断するか、しないか」「やるか、やらないか」が重要で、「決断し、やった」結果、事業者様の笑顔、事業の継続につながっています。
価格改定について、お客様の減少につながるのではと危惧されることも多いですが、取り組んだ結果、多少の客層の入れ替えが進み、当店の価値を認めてくださるお客様が残り、新規顧客の獲得につながり、利益率改善が実現した事例があります。
大切なことは、当店の良いところ、強みを研ぎ澄まし、お届けしたいお客様に対して、価値のあるものをつくる事、その価値に対して、適正な利益で販売する事に尽きます。
現状を把握するために、原価計算を行い、適正な利益幅を確保して販売価格を決定します。当店の価格帯と合わない場合は、食材や量の見直し、販売方法の見直しなどの調整をすればよいのです。原材料高騰の折、見直しをかけて現状、どのくらいの原価率、利益率なのか知ることが重要です。
同じ、売り上げでも、原価率30%と50%では、粗利から必要な支払いをして手元に残るお金は全く違ってきます。
売り上げだけをあげても変動費(原材料費)は増えるので利益はあまり増えません。
原価率を下げれば、原価減少分がそのまま利益率の増加に転じます。
そして、全体のお金の流れも把握し、必要な経費、報酬、税金、返済金などを賄うために、どのくらいの売り上げを立てればよいのかを認識し、そのための策を立てればよいのです。
これが出来れば、価値のあるものをたくさんのお客様にお届けするために、次は情報発信や集客を行えば未来は明るいのです。
新潟県よろず支援拠点では、飲食店の価格改定やメニュー再構築などの利益改善に向けたご相談に対応しています。
皆様のご相談をお待ちしております!