その言葉は目的にあっていますか? その3

 

~稼働率をあげる?~

 

新潟県よろず支援拠点コーディネーターの山崎です。

以前にも、同じタイトルで2回 コラムを書かせていただきましたが、その第三弾です。

 

【稼働率の向上】

製造業や建設業でよく聞かれるのが、「人が遊ぶのは良くない」「手空きが起きる」のは困る、だから機械や人の稼働率をできるだけ上げるべきという言葉です。しかしながら、手空きの有無や稼働率はどの程度。利益に貢献するのでしょうか?

 

下の図のように、3つの工程で完成する製品を作っていると仮定して、各々の工程の最大能力が、それぞれ 工程1:100個/日、工程2:80個/日、工程3:120個/日だったとしましょう。

全員フル稼働を目指したとするとどうなるでしょうか?

  • 工程1が100%で稼働して100個作ったとしても、工程2は80個しか処理できないので、20個は仕掛品として溜まります。このまま2日目も継続すると、仕掛品は倍の40個になります。このまま続けていると仕掛品がたまるだけです。
  • 一方、工程3は、工程2から80個しか来ないので、80個を処理するだけで120個は処理できません。
  • 完成数量は 80個/日です

もし、工程1の人が、少し工程2を支援して、工程2の能力が10%アップしたとすると以下の表のようになります。

工程1の稼働率は落ちますが、最終的な完成品は88個/日 と10%良くなります。

仕掛品の数も、すごく少なくなります。

工程の稼働率が変わっても、社員で回している限り、総人件費には変動はありません。それなのに工程2を支援すると10%売上高が伸びるのです。(作ったものは売れるという前提で)

 

この例のように、作業が連鎖しており、作業間に能力のばらつきがある場合は、最も能力の弱い部分の稼働率を上げない限り良くはなりません。それ以外の改善は、全体として効果を産まないケースが多くあります。

仕事の流れを再度見直して、改善すべき場所を見つけることができるとみんなが100%稼働しないといけないという呪縛から解き放たれるのではないでしょうか?

 

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山崎コーディネーター コラム

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