新潟県よろず支援拠点コーディネーターの永田です。
最近は企業の労務御担当者と働き方改革について話をさせていただく機会が増えています。当然ながら労働時間の短縮は重大なポイントの一つです。
やはり、どうしたら労働時間が短縮できるのかという課題が入り口となりますが、今回は一歩進んで、めでたく労働時間を短縮する余裕ができた場合にどのように短縮するかという視点からお話しします。
具体的には1日の所定労働時間を何分短縮するのか、年間の所定労働日を何日減少させるのかといった問題です。
業種による特徴や色々な考え方があるのでどれが正しいということは無いはずですが一つ参考になる調査をご紹介します。
毎年中小企業庁が発表する中小企業白書2015年版に記載されている「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」の「就業者から見た人材定着に関する取組の有効性」によれば「休暇制度の徹底(週休2日・長期休暇)」が2番目に人材定着に効果の高い対策とされているのに対し、「労働時間の見直し」の有効性は10番目です(1位は「興味にあった仕事・責任のある仕事の割当」)。必ずしも「休暇制度の徹底」イコール「年間休日の増加」、「労働時間の見直し」イコール「労働時間の短縮」とは限りませんが、その点を踏まえても、1日の労働時間を短縮するよりも年間休日を増やす方が労働者には歓迎されやすいと言えるのではないでしょうか。
実際の短縮措置に当たっては事業所の事情や従業員の希望を確認の上行うことが望ましいのは勿論ですが、検討材料の一つとしてご承知いただければ幸いです。
話は変わりますが、同じ白書の中には労働者が仕事を辞めた理由を集計した結果もあり、それによれば仕事を辞めた理由は「人間関係(上司・経営者への不満)」が他を大きく引き離して第1位になっています。昔から言われていることではありますが、やはり会社で働く上では円滑な人間関係は非常に重要であると改めて認識させられます。
この件について会社がまず行うべきことはメンタルヘルス対策ではないでしょうか。メンタルヘルス不調者が多く発生している環境に円滑な人間環境が構築できているとはちょっと想像できません。
既にメンタルヘルスについては上手く行っている場合は、最近注目されている心理的安全性(チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態等を指し、様々な効果が報告されています。)等に注目するのもよいかと思います。インターネット等で簡単に調べることが可能ですので、一度時間をとってご覧になったらいかがでしょう。
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