新潟県よろず支援拠点コーディネーターの石川です。
新規事業は大手企業やスタートアップ企業だけのものではありません。莫大な資金や優秀な人材がいないとできないのではないか…そうではありません。これまで事業を展開してこられた中小企業だからこそ生み出せる新規事業があります。むしろ中小企業だからできる魅力を持つ新規事業を展開できるケースがあります。
今回はどう新規事業を考えるべきかのステップをご紹介します。
➢どうやるの?
- アイデア出し/検討
どんな事業ができるかのアイデアを出します。中小企業にはこれまでの事業の経営資源が蓄積されています。自社の資源、外部の情報、自社の価値観、経営者自身の価値観などを掘り下げることでどんな事業の可能性があるかを考えます。社内外でディスカッションを積極的にしてみるとよい時期です。
- ビジョンの明確化
アイデア出しで拡散させた発想を「まとめてみる」作業です。まとめる際に事業として成立するか?コアコンピタンスを抽出できているか?そのビジョンは競合差異をどのように生んでいるか?などを検討します。
- 市場調査
顧客はどこか?顧客はどんな頻度でどれくらいの額を払うか?競合はどこか?地域で協力関係を築ける企業や行政などはあるか?などを確認します。
- ビジネスモデル構築
- ~③を行き来するなかでヒト・モノ・カネがどのように動くのかを図式化します。実行可能・検証価値がありそうなビジネスモデルが構築されれば⑤を実施します。 ※新規事業は補助金などの活用も大いに期待でき、活用できる領域です。
- MVP開発
ビジネスモデルを検証するために「顧客のが本当にいるのか?」を検証するフェーズです。コストをなるべくかけず、早く顧客の声を確認するために、Minimum Viable Product/最小限のサービスや商品を創ることで、顧客が抱える問題を解決できるか?商品やサービスやビジネスモデルの改善箇所を発見します。
- 実行
構築されたビジネスモデルを推進します。
➢何がいいの?
新規事業を検討する過程では、既存事業にとってもいいことがあります!自社のもつ資源や既存事業に全く関係なく新規事業を立ち上げることは(何かの意図がない限り)ほとんどみられません。そのため、既存事業とのシナジーや既存事業のもっている魅力と新規事業の検討を通して向き合うケースとなり得ます。新規事業ための新規事業であり、既存事業を伸ばすチャンスを発見する機会にもなり得るのが「新規事業」です。
➢落とし穴
新規事業を創るときに「正解」を求めてしまう場合があります。新規事業は100発100中を目指しつつも、100発100中を期待してはいけません。新規事業の構築や立ち上げた新規事業の改善を進める中でよりよい新規事業と生んでいくものです。
➢事例
株式会社ハーヴィッド
新潟市内で屋外広告業を展開してきたハーヴィッド様。次なる一手をより飛躍したチャレンジとするため「新規事業」という発想で会社の次なるステージを検討されました。
- アイデア出し とにかくやってみたいことを抽出しました。未来の広告はどうなっているのだろうか?未来は空に屋外広告が浮いているんじゃないか?そんなことを話合いました。
- ~④ 出てきたアイデアはどれくらい費用が掛かるのか?既存事業との相性やシナジーはどうか?などアイデアと現実的な数値や体制を行き来することで新規事業の実現可能性を計画段階から高めます。(並行して事業再構築補助金の申請準備)
⑤⑥ 実行です。実行しながらよりよくできる部分、より事業を強められる部分を見つけ日々事業を育てております。(実績:事業再構築補助金採択、新潟市概念実証補助金採択、日経新聞掲載)
新潟県よろず支援拠点では、新事業開発のご相談にも対応しています。
皆様のご相談、お待ちしております。