こんにちは、新潟県よろず支援拠点コーディネーターの辰喜です。
平成元年4月1日に消費税が導入されてから約30年以上が経過しました。これまでに消費税率の引き上げ、免税点および簡易課税の適用範囲の縮小、軽減税率制度の導入等の改正が行われてきました。来年10月1日(令和5年10月1日)よりインボイス制度が始まります。この改正は多くの事業者にとって非常に大きな影響があるものとなっています。制度導入前に事業者各自でこの制度についてよく理解し、適切な対応が必要となります。
消費税は基本的には売上げの消費税額から仕入れや経費の消費税額を差し引いた差額を納税する仕組みです。この仕入れや経費の消費税を差し引くことを仕入税額控除といいます。現行制度では帳簿および請求書等の保存がその仕入税額控除の要件となっていますが、インボイス制度の下では帳簿およびインボイス(適格請求書等)の保存が必要になります。なおこの適格請求書等とは税法上の一定の要件を満たした請求書等のことをいい、請求書だけでなく領収書や納品書、小売業者の発行するレシートなども含まれます。このインボイスを発行できるのは消費税の課税事業者で、かつ適格請求書等発行事業者の登録をした事業者となります。登録した事業者は税務署から登録番号(アルファベットのT+13桁の数字)が通知され、その登録番号を適格請求書等に記載することとなります。実務上、取引の相手方はこの登録番号の記載の有無で適格請求書であるか否かを判断することとなると思われます。
事業者各自は制度導入前に取引先(売り先)に対しインボイスを発行する必要があるのか、また仕入や経費の支払先からインボイスの発行を受ける必要があるのかを検討する必要があります。消費税の課税事業者の場合であっても自身の消費税計算が本則課税なのか、簡易課税制度によるものかによっても対応が異なります。
今回の改正では特に消費税の免税事業者の方への影響がより大きくなるものと考えられています。売り先が一般消費者のみであればインボイスの発行を求められることはありませんが、事業者を取引相手としている場合にはインボイスの発行を求められる可能性が高くなります。仮に免税事業者がインボイスを発行する場合には消費税の課税事業者となるため注意が必要です。制度が導入される前に取引の相手方とその対応についてよく確認しておく必要があります。
今後、インボイス制度導入までに税務署をはじめとして各関係団体において多くの説明会が開催されると思います。一度は説明会に参加し、事業者各自で制度をよく理解し早めに対応を検討することが必要となります。
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